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《ネタバレ》 (原作とはラストが違うので、映画のみでレビューします)この作品って、すごく残酷で、すごい皮肉が含まれているんですよね。最初は、妻として女として社会人として成功している詩史と、痛いくらい子供な透の関係で、常に切り札を持っているのは詩史。それを「一駅乗りすごしてしまった」ばっかりに、彼女は透以外の全てを失う。恐らくはこのまま老いさらばえて行くわけだ。透はパリで、金髪の綺麗なオネエチャンが沢山いる中で、どんどん世界を切り開いて行く。切り札は当然透に移って行く。これってものすごい悲劇でしょう! 貴美子と耕二の関係は、滑稽なようでいてちゃんと未来がある。どちらかというと貴美子耕二側の方が不倫優等生だ。この作品って、こうして考えるととても面白い。キャラも立っているし、キャストだって皆はまり役で良い。でも「なんだかなぁ~」という感想を抱いてしまうのは、この映画を『純愛ブーム』の波に乗せて流行らせようっていう狙いがミエミエで、退廃的なニュアンスが排除されてしまっているせい。おしいなぁ。ラストの山下達郎の音楽も、無理に「ハッピーエンドなんだよん」と言っているみたいで興ざめだった。あと、微妙な笑いの座りの悪さ(例・酢豚)は一体何!? おちゃらけるならもっと痛快に笑わせて! 中途半端な笑いはいらないわ。映像と岡田君は文句なしに綺麗でしたが・・・
【ともとも】さん 5点(2005-01-19 20:06:46)
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