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基本的に映画は素晴らしい娯楽だと思っている人間なので、この映画の、主張しているようでいて淡々と時間を追っている、そのくせ見る側に考えることを強要するやりかたに、どっと疲れてしまった。スーザンと一緒になって、マシューと被害者の家族との間を揺れ動いてしまうんだなぁ。 でも、私も子供を持つ身なので、やはり最後は被害者の両親の心理に歩み寄った形で見てしまった。大体、生殖という人間の大仕事を放棄して、神だ救いだと言っている聖職者って、全然信用できないし、大嫌い。最後の言葉も「許しを下さい」までは良かったが、「あんあたちも人を殺しちゃいけない」の言葉には、「今さら何さ!」としか思えなかった。だからドラクロワの父親が、マシューの葬式に来て、どこか曖昧な態度を見せたあのシーンが、胸に響いた。 でも、これだけ観る側を惑わし考えさせるんだから、監督的にはこの映画は成功なんでしょう。それになんだかんだ言っても、いい映画です。
【ともとも】さん 8点(2003-05-20 14:41:52)(良:1票)
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