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《ネタバレ》 踊り子(歌手?)の主人公が、一文無しでパリにたどり着く、というところからのスタート。何やかんやでタクシー運転手の青年といい感じでめぐり会い、この後はこの恋愛一直線なのかな、と思いきや、中盤からの展開が凄い。オペラパーティーのくだりでたたみかけるように登場人物を重ねていき、しかもその中に自然に心理戦を繰り広げさせる。それも突飛な事件はなく、人間関係の積み重ねだけで。コメディ部分に笑う一方で、そのテクニックに唸ってしまいました。そして朝食会のシーンでは、心理戦が一層の拡がりを見せつけ、その中で笑いのネタも次々に放り込まれ、もはや臨界点を突破しています。そこからすると、ファイナルの法廷シーンはいささか唐突なのですが、その中でもしっかり伏線を回収して落としてくれます。全体としては、主人公の口から出任せぶりの徹底と、そして表情の豊かさが強力でした。こんな洗練されたロマコメが戦前の作品であるというのも驚きです。
【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-07-31 00:49:09)
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