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あまりピクサーを悪い風に言いたくはないのですが、この作品に限っては書かせていただきたいと思います。まず何より気になったのは、全てが車であること。車を修理する存在も車で、しかも虫でさえも車。何が言いたいかと言うと、全てを車にしてしまうとそこには人間を通した目線がない為、他のピクサー作品にあった人を通した温度がなかったと言うこと。現代の時代背景で、レーシングカーを主人公をするのはさほど問題はないのですが、そこに人間がいないのは問題だとおもう。今までにのピクサー作品は、身近に存在する玩具や魚、あるいは人間が作り出した架空のモンスターだとかヒーローだとか、そういった人間がいて始めて成立する存在が主人公になっていた。人間がいるということは、そこに共感があり、架空の主人公には憧れや夢の要素があった。それは昔のジブリにも言える事であって、それを見ることで、その二つの要素を楽しむことができ、また作品に奥行きが出ていた。それは当然子どもが観ても面白く、大人でも非常に楽しむ事が出来たと思う。がしかし、この作品は人間がいない事、また全てを車にしてしまった事で、両方の要素の力をかなり落としていると思う。またその二つが合わさる事で感じる感動がこの作品にはまったくと言っていいほどなかった。好奇心のアンテナにまるで引っかからず、ただの子ども向け作品で留まってしまっている。決してつまらないストーリーではないが、あまりにも単調なストーリーで始まった時点で結末が一つしかない。心の曲がった人間が改まっていい人になる。それは子どもに見せるにはいいが、映画をたくさん観ている大人にはわかりきっているストーリーで退屈ではないだろうか。僕は正直、好きになれない。ストーリーがではなく、こういう姿勢で作品を作ったピクサーの考えが、好きになれないのだ。もし、ピクサーを買収したあの会社がこの作品を作らせたのなら、僕はあの会社を心から憎む。
【ボビー】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-12-25 10:33:16)(良:4票)
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