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冒頭から理由のわからない違和感があった。それが何なのかわからずただただ観続けていた。その違和感の理由が突然わかった。それは物音が異常なほど大きく聞こえた。コップをテーブルの上に置く音、マッチの火を点けるときの音、そして二人の会話。全てが静けさの中の小さな音で、それがふつうの映画にはない異常な程の静けさの中で大きく聞こえた。それにストーリーの中で節目になる大切な時だけに流れる音楽が、すごく綺麗で、静けさを決して失わない美しい音楽だった。その音楽がこの映画の静けさにうまく混ざり合っていて、心を何度も揺さぶられた。そして二人の澄み切った心が、あまりに切なくて綺麗で、最後の海のように青々としていて、ずっと眺めていたくなった。日本の映画だけにある“静けさ”という名の特権。
まさに“blue”だ。 【ボビー】さん 9点(2004-08-21 18:43:56)(良:1票)
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