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本作の真の価値は「欲望に取り憑かれた人間・極限状況に於ける人間の行動は時として滑稽でさえある」という極めてアイロニカルな視点にあるのであって、単なる安っぽい爆笑コント映画ではない!例えば飢餓の極致に達した相棒がチャップリンを見つめる内に七面鳥に見えてくる、というシーン。飢えを凌ごうとすれば、仲間をも食糧としてしか認識できなくなるのは近作では「ラビナス」なんかにもあったが、あんなドギツイ不快な描写をしなくても、「笑い」のオブラートに刳るんでソフィスティケイトしつつ、恐怖を描く程度のテクニックはチャップリンにとって造作もないことなのだ。アノ靴を食べるシーンも、そういう認識に立って観れば「おもろうてやがて哀しき」何とも言えぬペーソスに満ちていることに気付くハズ。チャップリンは稀代の映画作家であり、そんじょそこらのお笑い芸人とは全く次元を異にしていることを踏まえて観ないと作品全体を見誤ることになるので要注意!
【へちょちょ】さん 10点(2002-12-31 19:51:33)(良:2票)
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