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本作が何故シリーズ最高傑作なのか?ソ連崩壊後の今日では想像も付かないだろうが、息詰まる東西冷戦の娯楽アレンジとしてあらゆる面で実に優秀だから、としか言い様が無い。次作「ゴールドフィンガー」も秀作だが、僅かに及ばない理由の一つとして「ボンドガール」の差が挙げられると思う。全シリーズを通しても最高にチャーミングなダニエラ・ビアンキ!演じるソ連諜報部員タチアナに比べるとオナー・ブラックマン扮するプシー・ガロアではオバハン過ぎる。しかし、両作に共通することは「敵が強く、魅力的」だということ。ボンドがやたらに強すぎるわ、オンナにモテモテだわ、だけじゃコネリーはゴキゲンでもこっちは詰まらないし、ちっとも盛り上がらないからね。その点、中世の魔女みたいな容貌のスペクター女上司ローザに扮し、ボンドをあわや、というところまで追い詰めた名女優ロッテ・レーニャ(パプスト版「三文オペラ」は必見!)の怪演は強烈で忘れがたい。これにロバート・ショウ演じる殺し屋グラント(これまたド迫力!)まで加わるんだから正しく「鬼に金棒」、果たしてボンドの運命や如何に?てな感じで煽っても説得力が生まれるのである。妙な新兵器とかに頼らず、一瞬の状況判断でピンチを切り抜ける丹念な描写も本作と次作まではあったんだが…。封切り邦題の「危機一髪」ならぬ「危機一発」も敢えて誤植を装うイキなタイトルだったネェ。(今の配給会社の邦題のセンスの無さにはもう呆れるを通り越して泣けてくるわ。何でもカタカナにすりゃあ良いってモンじゃないだろーが!!)そうそう、マット・モンローの主題歌もグー。
【へちょちょ】さん 8点(2002-12-30 03:22:20)
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