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《ネタバレ》 「ブリット」の超絶カーチェイスにもシビれたが、矢張りコイツには敵わない。本作で衝撃のデビューを飾ったハリー・キャラハンの硬派な”漢”っぷりには惚れ惚れしてしまう。本作で人気を決定付けたのも納得の渋さだ。プールの女性をネチっこくスコープ越しに追った後で容赦なく狙撃するサソリを描いたオープニングで一気に画面に引き摺り込むシーゲルのパワフル演出が光る。次いで銀行強盗を44マグナムで仕留めるハリーの描写が又凄まじい迫力!その際のハリーの台詞がラストの伏線になっているのも実にウマい。身代金受け渡しで電話ボックスを転々と移動させるのと並行して盗聴する場面のスリルも抜群だ。何より恋人とのラブラブなベッドシーンといった余計な水増し場面が一切無く、贅肉を削ぎ落としたかのようなストイックさが「ブリット」を凌駕する最大の理由だろう。「ブリット」はジャクリーン・ビセットが単なる彩りの域を出ず、ハッキリ言って邪魔だった。ハリーは「妻は死んだ」の一言でオシマイ。回想シーンも無し!と実に潔い。つまり、「主人公がキマっていて」・「悪役がインパクト(アンディ・ロビンソン最高!)があって」・「ラブシーンなどの冗長な部分が無くて」最後に「スカッとするカタルシス!」この条件をキッチリ満たせば刑事アクション映画の傑作が出来上がる…という訳なんだが、何故か条件を全て満たす快作はそうそう滅多にお目にかかれないのが何とも辛いトコロだ。本作以降じゃ精々「ダイ・ハード」(1作目のみ)くらいかなぁ。精悍なハリー・キャラハンに敬意を表し9点。蛇足なシリーズ化でマイナス1点!
【へちょちょ】さん 9点(2003-11-28 02:48:49)(良:3票)
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