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《ネタバレ》 一年の最後を締め括るに相応しいレビューとなれば、本作を措いて他にあるまい。殊に現実では重く辛気臭い事件が国内外問わず巷に溢れた昨今では。こんな時、我々だって程度の差はあれジョージ・ベイリーと同じ絶望感・虚無感に捕らわれそうになるかもしれない。しかし、キャプラは二級天使クラレンスを通して愛と善意の必要性を力強く語りかける。理想主義?その通りだ。しかし、キャプラは生涯一貫して信じ続けた。それが画面に横溢して感動と共に我々を強く説得し魅了するのだろう。実際、ジョージのいない世界を垣間見せる後半の暗いタッチはあたかも不景気なニューシネマの台頭を予見させるかのようで身の毛も弥立つ。それだけに一転して街中に「メリー・クリスマス!」を叫びつつ我が家へ走るジョージの姿、彼の家に集まる街の人々の善意の寄付の場面は悔しいが毎度涙を禁じえない。取立人までもが寄付する辺りの細かい描写も憎い。緻密な構成とかとはお世辞にも言えないが、キャプラの真髄を味わうなら絶対に外せない一本。勿論10点満点しかありえない。
【へちょちょ】さん 10点(2003-12-31 23:49:58)(良:4票)
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