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レビュー情報
ジョン・フォード=西部劇って単純極まりない図式しか頭に無い方には是非御覧頂きたい秀作映画。原作はリチャード・レウェリンの小説で、フォードとしては「怒りの葡萄」に続く文芸映画となる。19世紀末のウェールズを舞台に炭坑町で懸命に生きる一家の姿が(天才子役ロディ・マクドウォール演じる)末っ子ヒューの回想という形でリリカルに綴られる。思い出は普通何かと美化されがちだが、主人公一家に降りかかる苦難は相当にヘヴィ。姉を演じたモーリン・オハラが有名なくらいで、後は殆ど”通好み”の激シブ演技派俳優ばかりのキャスティングが本作を重厚かつ格調高い名作の域へと引き上げた原動力だろう。個人的には一家の母親を演じたサラ・オールグッドの迫力肝っ玉母さんぶりに圧倒された。オスカー(助演男優賞)を得た父親役のドナルド・クリスプも確かに上手かったけどね。勿論ロディも共演の名優達を前に一歩も退かぬ好演。まさか後にコーネリアス&シーザー役で「猿の惑星」シリーズを皆勤することになろうとは当時は知る由も無かっただろーなw。ま、これら一連の名演技もフォードなればこそ巧みに引き出されたのであって、誰が監督しても同じなわきゃナイ。オスカー作品賞&監督賞にも輝く逸品!!邦題にも格調が漂うこの名作に…9点。チョット重苦し過ぎるので1点マイナス。
【へちょちょ】さん 9点(2003-02-13 14:18:39)(良:1票)
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