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《ネタバレ》 映像派リドリー・スコットの出世作。確かに当時こんな風に陰影を巧みに使うスタイリッシュな監督は殆どいなかったので、新鮮に感じた記憶がある。ギーガーの卑猥一歩手前のエイリアンデザインも、それまでのモンスター像を踏襲することなく、一線を画した個性を際立たせることに成功している(エイリアンの頬の膜のようなものは何とコン○ームだ!)。とは言え、本作が成功した最大のポイントは監督もデザイナーも脚本も当時その才能は一般的に未知数だったことにより、縛りが多く暴走しようにも周囲に抑えられたことにある。「自由奔放」と「好き勝手にやりたい放題」は映画製作に於ては正に「紙一重」。スコット、ギーガー、オバノンと三者三様ながら曲者揃いだったことからも制作サイド(ロナルド・シャセットとかデヴィッド・ガイラーとかW・ヒル)のこの判断は実に的を射たものであったと敬服するしかない。この四すくみの摺り合わせ作業の末に奇跡的な成果として結実したのでは?と考えると色々示唆に富む映画ではある。仮に現在のスコット、ギーガー、オバノンで制作したとしたら、各々譲ることも知らずエゴイスティックに主張し、誰も口を挟むことができずに、恐らく「鵺(ぬえ)」のような滅茶苦茶な代物になって失敗したのではなかろうか。「G.I.ジェーン」や「スピーシーズ」を思い出してもらいたいね。79年作品というのは、そういう意味をも秘めているのである。成功のポイント・その2は、当時でも余りに地味過ぎるキャスティング。イアン・ホルムやトム・スケリット、ハリー・ディーン・スタントン、ジョン・ハートにヤフェット・コットーなんて余程の映画マニアでもない限り顔も名前も知らなかったハズ。つ・ま・り・「一番有名な俳優が生き残る」の法則が一切通用しないので、先が全く読めない。誰かこの中で、ダラスが中盤で呆気なく死ぬ、アッシュが冒頭からどうも怪しい、猫のジョーンズが最後まで生き残る、と予備知識全然なしに序盤で予想できたヒトいる?いたら凄過ぎだけど…一生そのヒト尊敬しちゃいますぅ~ってか出来るわきゃねーだろ!あとコレって原作なんか無いよ、オバノンのオリジナル脚本だし。もし読んだって方がいたとしたら、そりゃ単なるノベライズ版じゃ?
【へちょちょ】さん 8点(2002-12-27 02:20:44)(良:2票)
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