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アルトゥール・シュニッツラーの同名原作最初の映画化。ヴァディムの64年版は勝手に舞台を巴里に変えていたが、本来の舞台は1900年のパセティックな雰囲気溢れる古都ウィーンなのである。ウィーンでなければ「輪舞」にあらず!ではマックス・オフュルス監督版は原作に忠実なのかと言うと案外そうでもなく、かと言ってヴァディム如きとは一味違う実に粋なアレンジを本作に施している。勿論アントン・ウォルブルック扮する神出鬼没の狂言廻しである。ジョセフ・コスマの曲に乗ってマントを翻しつつラブシーンに乱入!する彼の解説で何とも言えぬユーモアを醸し出して見事!64年版でも書いたが、出演俳優のレベルの高さも本作の大いなる魅力。個人的にはシモーヌ・シニョレの娼婦が一番のお気に入りだが、ジェラール・フィリップ・ジャン・ルイ・バロー、ダニエル・ダリュー、セルジュ・レジャニ、ダニエル・ジュラン、イザ・ミランダといった他の出演者も実に溌剌としており、実際殆ど演技レベルに差は無いと言って差し支えなかろう。出来うるならば、ドイツ人俳優による映画化も観たい気がするが、矢張りコノ50年版が決定版であろう。小娘役のオデット・ジョワイユが若干見劣りするので1点マイナス。
【へちょちょ】さん 9点(2003-08-11 07:43:34)
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