| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 とある関西の暴力団が九州進出を狙うにあたって、チャカと100万円を持たせた若造一匹、宮崎に送り込む。若造はどうせ現地の暴力団とトラブル起こして殺されるから、それを口実に組織として九州に乗り込もう、という寸法。そこで白羽の矢が立ったのが、テキ屋でインチキ商売している、渡瀬恒彦。
作中では、彼が宮崎でグダグダな生活を送る様が描かれていて、普通のヤクザ映画のような派手な抗争はありません。早口の関西弁をまくし立て、時に狂犬のような表情を顕わにしつつも、散財しながら気儘な日々を送る彼。 そんな彼の日常の裏で、組織は組織の論理で動いており、何も知らない彼は気がついたら追い詰められた存在となっていて。 せっかくの拳銃も出番がないまま、結局はロクな使い方をせず、自らの破滅への引き金を引く事になってしまう。 タイトルは「鉄砲玉の美学」ですが、これは一種の皮肉なのか、鉄砲玉は鉄砲玉として死んでみせて初めて存在価値が出る。鉄砲玉が帰ってくることなど許されない。 鉄砲玉になりきれなかった、しがないチンピラのお話でした。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-07-04 10:22:39)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
|