ハプニング の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ハ行
 > ハプニング
 > 鱗歌さんのレビュー
ハプニング の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ハプニング
製作国,インド,
上映時間91分
劇場公開日 2008-07-26
ジャンルドラマ,ホラー,サスペンス,パニックもの
レビュー情報
《ネタバレ》 素朴な映画というか無邪気な映画というか。別に、この映画が「やっていること」自体は、素朴でも無邪気でもなくて、むしろ映画的な策略に満ちているのだけど・・・しかし、今どきコレで通用すると思っているのが、素朴で無邪気だなあ、と。いや、素朴で無邪気なフリをして、「今さらながら、あえてこういう映画に挑戦する」というコトに意義を求めているのだろうか? 突然発生する集団自殺。原因は植物の出す毒素らしい?ってな訳で、人々に襲いかかるモンスター、人々が逃げ惑う敵は、単なる“風”として描写されるという、古臭さがかえって新鮮な映画。あるいは、「古臭さがかえって新鮮でしょ、ね、ね」と馴れ馴れしくも訴えてくる映画。うーん。しかしやっぱり。今どき、これじゃあ、ねえ。ってか、ココロザシ確かに良し、かもしれないんだけど、テーマ自体がイマイチな気がしてしょうがない。人間、それなりに長い人生を生きてきたら、思わぬ死に接したり、なんやかんやと経験してきて、「よく自分なんかがこうやって生きていられるよなあ」みたいな、生存の不安というか生存のブキミさというか、そういったことを、時々感じるわけですよ。まさにこの映画における、原因不明の大量自殺、これこそが現代を生きること自体の不安。なぜ死ぬのか。いつかそれは自分にも降りかかるのか。そこから逃げる術はあるのか、ってね。で、この不安を描写する映像が、「突然、立ち止まり、後ろ向きに歩き始める」ってんでは、やっぱり、弱いんだよなあ。現実の生における“不安”や“恐怖”の方が、よっぽど強いんだよなあ。そこにどうしても、違和感を感じてしまう。「ビルから人が次々に降ってくる」というシーンは確かにインパクトあったけど、それだけにますます後半が弱い印象。ラストは、いわば、諦念と希望が綯い交ぜとなったある種の平和、あるいは“前向きな不安”で映画は幕を閉じ、上記の感覚を持ちつつこのラストを観てると、いささか「楽天的」という気も。でも一方では「でも、うん、そうなんだよな」と、先日、子供が生まれた私にとってはどこか共感する部分もあったり。自分の子供が生まれる、ということには、実は、自分自身への諦めが含まれているのです、ハイ。
鱗歌さん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-10 00:10:44)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-01ストレンジャー・ザン・パラダイス8レビュー7.13点
2024-04-29デビルマン4レビュー1.45点
2024-04-27沈黙のテロリスト7レビュー2.40点
2024-04-27回路8レビュー4.96点
2024-04-21新・座頭市物語7レビュー7.15点
2024-04-21ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録7レビュー7.27点
2024-04-14片腕必殺剣7レビュー6.33点
2024-04-07ゴーストバスターズ/フローズン・サマー7レビュー5.25点
2024-04-07わが青春のアルカディア7レビュー3.90点
2024-03-31ソニック・ザ・ムービー6レビュー6.44点
ハプニングのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS