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ホテルの窓べりに立つ自殺志願の男。中空高い窓べりが舞台の宙ぶらりん状態、文字通りのサスペンスです。片や、窓の向こうの室内に詰める、彼を説得する警官たち。片や、地表から彼を見上げる野次馬の群衆。その両者との関連の中で描かれる彼の姿は、衆人環視の中の「開かれた密室」とも言うべきものですが、そこにさらに、同時進行的に進められる、とある計画が、もうひとつの流れとして加わってくるのがミソ。空の密室に閉じ込められた主人公の不自由さに引き換え、こちらの「とある計画」が、準備良過ぎるやろ、というくらいに完璧な装備で豪快に進められていく、この自由さが気持ちいい。もちろん、こちらも様々な障害にぶつかり、ハラハラさせられる訳ですが。そして何よりも、ずっと身動きとれない不自由な立場にいた主人公が、クライマックスでは飛び回りまくって、もう何でもアリアリの大活躍を見せる。それまでの展開とは対照的にここで主人公の大活躍が見せる最高の自由さこそ、痛快極まりない最大の見所ですね。
【鱗歌】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-03-29 10:42:09)
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