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《ネタバレ》 そりゃま、ドラキュラのおとっつぁんが娘のために命がけで奔走するクライマックス、ホロリと来ますよ。確かにホロリと来たさ。でもね。その奔走の理由が「娘とボーイフレンドを繋ぎ合わせるため」だなんて、ちょーっとオメデタ過ぎないですかねぇ。もし娘が原節子みたいに「ワタシ、お嫁なんか行かないワ」とか言って婚期逃しかけてりゃ心配もするでしょうけど。でもコレ、どこかの誰かさんが「ビビビ婚」とか言ってたレベルじゃないですか。父親って、そんなもんかい? それとも何ですか、今どきのオヤジは、娘の恋愛のために全面協力するんですかね(私には無理です!!!)。と取り乱すくらい違和感のあるオハナシでした。設定に似たところのある『塔の上のラプンツェル』の方が余程ピンと来る。多分この作品、オドロオドロしいモンスターたちを意識的に「いい人」に描こうとし過ぎなんじゃなかろうか。だからちょっと理屈っぽくなっちゃう。それに“モンスター”を中心に持ってくる以上、オドロオドロしさをどう醸し出すかも見せ場のはず、だけど残念ながら、モンスターたちの造形も、これだけの数を出すにしてはもうひとつヒネリが無く、特徴が薄い。そしてオドロオドロしさの代わりに、単純にオゲレツ描写に走ってしまう。発想の豊かさの点でやはり水木しげる先生は偉大だと感じた次第。 ま、でも、ホロリとは来ましたから。大いに笑わせてもらいましたから。手に汗握りましたから。つまり、愉しい作品でしたから。
【鱗歌】さん [映画館(吹替)] 7点(2012-10-02 23:05:15)
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