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《ネタバレ》 この映画でもっとも衝撃的だったのは・・・
え、あの野菜の「オクラ」って、英語だったのか!! ・・・それはともかく。 嵐の描写、捕鯨の描写、そして「白鯨」との死闘まで、まさに畳みかけるような映画前半。映画に盛り込まれた細かい描写が、作品の迫真性を強めています。その反面、CGの多用には複雑な気持ちにもなり、もはやあの『ジョーズ』で味わったような生々しさには我々は出会えないんだろうか、とも思えてきたり。70年代に『ジョーズ』を作ってもらえたのは、一種の幸運だったんでしょう(1956年の『白鯨』、あれは早すぎだったのかもね)。とは言え、実写部との融合がうまく、違和感は最小限にとどめられていると言っていいでしょう。 で、映画後半は漂流物語となって、ここからが真の地獄。ですが、この地獄を事細かに描写できないのが、作品の限界というか、あるいは節度というか。もう一押し、苦しみを表現する描写があってもいいか、とも(例えば吉村昭の『漂流』などでは、克明な描写を読むにつれ、登場人物たちの苦しみ、切なさが、否応なく感じられてきます)。 一方、この後半では、「融和」が描かれます。主人公は「白鯨」と対峙するも闘いは回避され、事あるごとに衝突していた船長とも心を通じ合わせ、物語の語り手と聞き手もまた、気持ちを通い合わせる。 映画の途中で何度か、物語を語る「現在」のシーンが挿入されますが、このシーンはカメラを手持ちではなく固定した方がよかったのでは? 揺れる船上シーンとのメリハリが無く(映画の流れを損なわないためかも知れないけれど)、印象が弱まっているように思えました。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-05-02 14:30:53)
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