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ガリガリと物々しく進む戦車隊、その手前に写る小屋に貼ってある、大村崑のオロナミンCの広告のユーモラスさ。昭和ガメラでお馴染みのコンちゃんを、こういう形で「出演」させるとは、心憎い。かつての怪獣映画は、そのチープさを、悪く言えば誤魔化すために、ユーモアを介在させていた面があるのですが、平成ガメラは、スペクタクル作品としてのシリアスさ、リアルさで直球勝負、時に織り交ぜるユーモアを、単なる「逃げ」に使っていない点が、良い悪いは別にして、“新鮮”であります。第2作の本作も、「シリコンからなる宇宙生物」という、SFではやや古臭いネタを用いつつも、ちょっとした文明批評みたいな要素を見せつつ、自衛隊と怪獣のリアルな戦闘を見事に描いております(制服を着た永島敏行が新幹線で普通に移動しているのを見ると、さすがに「自衛隊大丈夫か?」と思ったけど)。そんな中で、傷つき大流血しながら戦うガメラの姿。ガメラに流血は昔から付き物で、まあ、アブドーラ・ザ・ブッチャーのプロレスみたいなもんなんですけども、「文明」vsレギオンの戦いの中で、どこまでもアナログ的に流血試合をするガメラの姿、血沸き肉踊るとはまさにこのこと。・・・そんでもって最後に、「ガメラは地球の生態系を乱すものを許さない」なんぞという、あまりにもアバウトで焦点の定まらないボケボケの結論には、さすがにそりゃないよと思いましたね。シリコン生物というものの持ちえたかもしれない寓意性が、この結論で雲散霧消しちゃいました。
【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 7点(2007-09-03 11:04:17)(良:1票)
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