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まあ要するにモンド映画でしょ、コレは。だってこの日本の紹介の仕方、『世界女族物語』とか思い出させるじゃないですか(え?別に思い出さないって?・・・あ、そう)。小津作品で描かれた「東京」を求めてカメラ携え彷徨うヴェンダース。ここに記録された83年当時の東京、それは、90年代前半東京に住んでいた私が知る東京とは異なるもの。そして昨年久しぶりに訪れた東京はさらに異なったものでした(勿論変わらない部分も多々あるのですが)。従って小津作品の東京がそのまま残っているハズも無く。小津作品自体が「時代の流れ」をテーマの一つとして内在しているのだから(工場の映像が唐突に挟まったりしますね)、ヴェンダースもそんな事は百も承知なんでしょう。それでも諦め切れないように彷徨った挙げ句、変なトコばかりカメラを向けちゃう。ハハハ結構面白い。で、偶然(?)出会ったヘルツォークと映画談義。撮りたいイメージの為ならどこだって行ってやる、と息まくヘルツォーク。くわばらくわばら!彼が言うと実感こもってて怖いね、この人しまいに主演俳優殺しちゃうよ、ホント(撮りたいイメージは探してでも撮る、これぞまさにモンドの精神! しかしコレって実は当然の事では?それこそ怪獣を撮りたい人なんて、探したって撮れやしないもんで、キグルミなりCGなり使ってテマヒマかけて映像作り上げてるよね)。とは言え、この映画に出てくるインタビューの数々を聞いていると、何やら胸が熱くなってくるのでした。また、この映画、一人の映画作家が自分の「観察眼」を公然とさらけ出している、という点でも興味深い映画です。しかし音楽がショボいのだけ、何とかならんかったのか・・・。
【鱗歌】さん 7点(2004-02-07 00:06:10)(良:1票)
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