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難点はいろいろあるかも知れないけれど、日本人のメンタリティに完璧なまでにフィットするこういう作品には、やっぱり逆らえませんなあ。健さんが弟分の起こしたトラブルの尻ぬぐいのため、やむなくヒットマンとなり秋山の親分さんを斬ってしまうのだけど、この対決の場面が「お互い納得ずく、正々堂々の戦い」が強調され、ああ健さんは悪くないんだ、と。はたまた出所後の健さんが親分さんの未亡人と息子をサポートするのだけど、自分が斬った張本人だとなかなか言い出せない、これもまあ健さんは口下手だからしょうがないなあ、さらには未亡人役の三田佳子も健さんを弁護してくれるもんで、ああ健さんは悪くないんだ、と。この辺りが娯楽作品の限界、作品の浅さでもあるのでしょうが、そのお陰で誰もが作品を気持ちよく楽しめちゃう、ってのも確か。クライマックスの左右田組への殴り込みのシーン、明らかにイメージは「忠臣蔵」で、サービス満点、しかも討ち入りだけに終わらずに石切り場での死闘になだれ込み、これはもうギャング映画のノリで、サービスし過ぎ。すばらしい。
【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-26 08:24:27)
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