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《ネタバレ》 原題は Lean on Pete 。馬の名前。殺処分が決まったピートの命を少年が救い、旅に出る。父と死別し、天涯孤独となった少年を、ピートが言わばアニマルセラピー的な役割で寄り添い、不遇の少年の心は徐々に癒されていく、という話かと思ったが、ちょっと違った。もちろん二人(一人と一頭)の友情関係のようなものは描かれるが、現実はもっともっと厳しく、16歳の少年を容赦なく落としていく。原題に騙された。この物語の主題は、少年が大人になる過程の話だった。
子供とはまず親が用意した環境によって、その人生を大きく左右される。これは残念ながら生まれた時から発生する不平等。子供ってあくまでも受動的な存在なんだ。そう言えば「生まれる」って、I was born 受動態。生まれさせる。育てられる。対して「産む」は、give birth 生を与える。子供のうちは、親もしくは保護者から与えられ、それを受けとって、生かされる。これまで受動的に生きてきた15歳の少年チャーリーが、大切な者の死を乗り越えて、厳しい現実というサバイバルを乗り越えて、受動的子供から、大人になっていく。もちろんこのサバイバルは大人になってからも続くが、ひとまず、温かいベッドで寝て、辛かったことが堰を切ったように涙として溢れ、犯した罪に懺悔の気持ちを持ち、今後のことを考える。与えられたものを受け取るだけじゃない、自分から発信し、対処していく必要がある。そして死なせてしまった唯一の友達ピートのことを思うと、これからも辛い気持ちを抱えていかなければならない。それが大人になるということ。 チャーリー、がんばったね、と声をかけてあげたい。少年役の俳優が、子供と大人の中間と、大人になって行く過程の変化を見事に醸し出すことに成功している。今後を期待したい俳優だ。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-07-25 12:46:46)
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