| 作品情報
レビュー情報
ティムバートンらしさとティムバートン”らしくなさ”が絶妙にミックスされた映画です。監督のファンなら今までの作品と見比べる楽しさもあるし、初見の人にも1本の映画として楽しめるのではないでしょうか(それが性に合わない人もいるだろうけど)。
「みんな要点ばかりで話がつまらん!お前の話はつまらん!」と大滝秀治のようなことを言う父の言葉が印象に残りました。バートンの心の声のようにも聞こえます。バートンの映画は、お話の「要点」ではないところを膨らませて語り、基本ヴィジュアル重視で人を楽しませてきた作家だと思います。それが仇となって、テンポの悪さやストーリー展開のイビツさという弱点がありました(個人的には、バットマンなど)。しかしこの映画では、その弱点自体が映画最大の魅力になっていると思いました。「フランケンウィニー」や「シザーハンズ」等は、子どもの頃から抱えてきた抑圧をファンタジーとして昇華した作品だとよく言われています。そんな映画を作ることが、自分の「つまらない」人生を前向きに生き抜くための手段だった・・・。そう考えると、監督自身がビックフィッシュじゃないか、とすら思えてきます。「要点」がそんなに大事なのかよ!というバートンからの反論のようにも感じられました。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-22 03:00:27)
ゆうろう さんの 最近のクチコミ・感想
|