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こんな従順な役がニコールなんておかしいぞ、監督!と思いながら見ていると、最後には納得。ニコールが普通のいい人であるはずがない(笑)。彼女のどこかに毒気が潜んでいることを見抜いている監督は流石です。「奇跡の海」も「ダンサー・インザ・ダーク」も、「『あなたのためよ』と言いながら実はそう言っている自分自身が一番可愛いと思ってんだろう、それって実は傲慢だよな、見返りを期待しない無償の愛ってのは『死』しかないんだよ!」って監督に言われているような気がしてかなり痛かった。でも、今回は「愛」の中にある人間の「傲慢さ」以上の人間の「恐ろしさ」=「権力」を見せ付けられました。ちょっとだらだらした感じもあるけれど、あのセットの閉塞感、微妙な人間関係の変化に鳥肌。やっぱりこの監督は凄いです。個人的にはニコールよりもクロエ・セヴィニーが印象に残ってます。ニコールが村に来たことで、トムの興味が彼女に移ってしまって、別にトムのことは好きではないのだけれど(どちらかというと嫌い)、ニコールに嫉妬を抱くところが、セリフは少ないながらも、非常に良く出ていました。今回はあの手ぶれカメラがあまり気にならなかったのですが、映画館を出て、家に帰ったらなんだか船酔いをしたような・・・具合が悪い・・・やっぱりかなりブレてたってことですかね(笑)。
【もっちー・Ⅰ】さん 8点(2004-04-09 10:56:29)
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