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《ネタバレ》 非常に原作に忠実な、まじめに作られた作品だと思いました。
登場人物のキャラクターから話の筋まで「なぜここまで」と思うほど忠実な作品でした。主人公の彼が語り部となりながら物語が進行するところに忠実さが出ているのだと思いますが、特筆すべきはラストの決闘シーンでの関めぐみさんの演技です。絵里とチェーンソー男の決闘に駆けつけた彼は、「絵里ちゃん!」と叫びます。そこでチェーンソー男に追い詰められた絵里はなんともいえない「泣いたような笑ったような」表情をします。 このシーンは原作でも「泣いたような笑ったような」と記述されていました。絵里はチェーンソー男に殺されかけ絶体絶命の中で彼に再会します。彼に会えてうれしいけどもう私は死んでしまう、というような感情でしょうか。映画化されると聞いたときからこのシーンをどのように描くかと思いましたがまさか原作の活字のとおりに表現されるとは思いませんでした。関さんの演技はすばらしく、絶望の中の歓喜を演じた関さんの目にはまるで儚い希望の光を見たようにさえ思いました。 全体的に明るい雰囲気の作品ですが、彼と絵里の日常にはすぐそこに「死」が存在し、戦わなければ「生」を得ることができません。生きることを正面から訴えた作品だと思います。 彼の締めくくる「生きている俺が羨ましいだろ」という言葉がすべてを表しています。 【パンツァー・フォー】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-01-13 22:31:59)(良:2票)
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