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《ネタバレ》 今さらながら2枚組DVDで観ました。50年代半ばと言えば米国では公民権運動も始まる前ですから当時の状況を考えれば相当に先進的とも言える取組みです。話としては東部の町から種馬の取引が契機でテキサス州の大牧場主と結婚することになってしまった女性の一代記とも言えて、それを代表的な美人女優と種馬男が演ずるややコメディタッチのテキサス近代史です。東部での出会いから場面は一転して自家用寝台列車でのハネムーンで自家用の駅に乗り入れると言うおとぎ話風のタッチですが、当時のテキサスは米国に併合して間もなくで、米国の移住者と先住のメキシコ系住民とが差別の中で共存している状態で一種の植民地とも言える場所です。ここでは努力と幸運次第で牧畜や石油発掘で巨万の富を得ることができるアメリカンドリームの場所でもあり、そこで大牧場主の子供達も自分の夢を実現し、メキシコ人の貧農の息子は大戦に召集されて運悪く戦死するけれど星条旗と州旗ローンスターの下での華やかな葬儀に送られます。反抗的な使用人のジェット(ジェームス・ディーン)は僅かな遺産の土地に賭けて大石油王になるけれどかつての雇用主とのパーティでの突っ張り合いが面白い。メキシコ系住民への差別意識が大きなテーマになってはいるけれど黒人はほとんど登場せず、教会も結婚式以外にはでてきません。この映画でのディーンのイメージはディカプリオとそっくりなことに気づきました。ちょっと時間が長いけれど気楽に観られる映画です。ちなみに原題のGIANTはローンスターの州旗が示すように孤高の大テキサス州のことです。
【たいほう】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-01 17:14:01)
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