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《ネタバレ》 この夏にいよいよ公開される『シスの復讐』に備えて、久しぶりに見返してみたのですが、全く自分でも思いがけないほどに面白く見ることができました。映画館での感動と衝撃がよみがえったと言っても良いほどです。
さて今回見返して、やはり過去の三部作との強い関連を改めて感じました(既に多くのレビューが投稿されているので、僕がこれから指摘する点なども、ファンの方には先刻承知の事ばかりでしょうが、その点はどうか許してください)。ナブーでの朝に、アナキンがテラスから湖を眺める時の彼の姿勢などは、明らかに旧三部作のベイダーの姿に重なります。そして特に強く感じたのが、全体的にこの新三部作が旧三部作の「ネガ」になっているという事です。 旧作との関連を楽しみつつ鑑賞するというこの点は、物語内の時系列が逆転した形で製作が開始されるという、極めて異例な道を辿っているこの『スターウォーズ』だからこそ味わえる魅力だとも言えるでしょうが、その一方でこの先に続くであろう物語の内容を、観客にある程度予測させてしまうという弱点もあります。 しかしこの弱点も、恐らく『スターウォーズ』ならではのやり方で克服されるのではないかと、僕は思って(と言うか期待して)います。そもそも「暗黒面」というのは、全てを思いのままに予言(ひいては支配)しようとする欲望と強く結びついているのであり、その予言を可能にするのは、自分でも制御できない「憎しみ」であり、「悪」の力ではないかと僕は思います。そして「自分でわかっていてもその力に身をゆだねてしまう」という事は、恐らくEp3のアナキンも強く感じるはずだと思うのです。 言ってみれば、「どうなるかわかっている」のは、観客とアナキンの共有事項ではないかと僕は思っています。後はその「わかっている」事をいかに描くかが重要だと思うのですが、僕はEp3においては、それは「わかっているが故に悲劇的になるしかない」という風に描かれるのではないかと感じています。 こうなっては、いやが上にもEp3がいかなる「悲劇」となるのか、強い期待を抑え切れません。それはともかく、このEp2も、単独で見て十分鑑賞に耐える傑作であり、またEp3へ接続するという大役をきっちり果たしていると僕は思います。 【マーチェンカ】さん [DVD(字幕)] 9点(2002-07-17 18:11:03)
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