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《ネタバレ》 この親の愛情の深さに、ただただ頭が下がる思いでした。おそらく普通なら医者に余命宣告をされた時点で、残りの時間をできるだけ子どもと過ごすという選択をする人が大半だと思います。それは実際にストーンヒル博士も言ってたことだし、無理からぬことだろうと。しかし、このジョンはあくまでポンペ病を治すんだという頑強な意志でもって、あらゆる局面に立ち向かっていきます。子どもを助けるためなら何でもするという思いが、画面越しにも伝わってくるようでした。
とても偏屈で頑固で、プライドも高く人の言うこともほとんど聞かない性格のストーンヒル博士は、その性格上色々な人と衝突します。周囲と足並みを合わせることなどを嫌い、意地とも取れるような頑固さを持つストーンヒルですが、"小さな命が呼ぶとき"だけはそんなプライドや意地を捨て去り、子どものための選択をしてくれます。あくまで子どもを救うことを優先するジョンには方向性の違いから裏切られ、自分の試薬も選ばれなかったという屈辱の状態で、しかしポンペ病の子どもたちのために最善と思える方法を選んだストーンヒル博士は、とても格好良かったです。 「おまえのためじゃない、子どもたちのためだ」という捨て台詞はかなりキマってました。 実話を基にした映画というだけあって、物語で起こる出来事の一つ一つが現実的で同時に冷酷で、、、身に詰まされました。ただ娘を助けたいという一念で動き出したジョンが、募金・製薬会社との交渉・研究チームのマネジメントなど直接的に子どもたちを救うことと関係ないことをしなければならない葛藤に疲れ果て、苦しむシーンなどは本当に現実的で、それだけに心を打ちます。 私たちが普段飲んでいる薬も、色々な過程を経て今私たちの手元にあるんだということを考えさせられました。その全部が全部このような美しい話だったとは言いません。そこには大なり小なり利権絡みで機械的に産み出された薬もあるでしょうし、「人を救う」という目的からは外れたきっかけで出来た薬と言うのも世の中にはたくさんあるでしょう。しかし、この映画のように「誰かを助けたい」という思いが詰まった薬と言うのも世の中にはあるんではないか。そうしたことに思いを馳せた上で、感謝して使わせてもらおう。鑑賞後そんな気持ちになる映画でした。 【TANTO】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-02-24 13:15:13)
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