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《ネタバレ》 印象的なセリフが、「自分のこともろくにできないのに、人を助けるなんてできるわけないよね」というなつめのセリフ。よくある似たようなセリフに、「自分のことも愛せないのに他人を愛せるわけがない」というものもありますが、昔からこのセリフには違和感を覚えます。対自分=対他人という条件がそこまであてはまるものかな、と。私ははっきり言って自分のことがそれほど好きではありませんが、それでも他の誰かのことを心の底から愛せるし大事にできる、少なくとも自分より。同様に冒頭のセリフについて、自分を助けられなくても誰か他の人を助けることは十分できると思う。自分が整ってないと他の誰かのことを同じようにできないなんて、傲慢な考え方だと思う。だから、「そんなことねえよ!なつめさんすげえって!!」と彼女を励ます春馬くんには好感を覚えました。
内容はまあタイトル通りですよね。視覚障害者の女性が事件を目撃?したことによってこれまで明らかにされなかった凄惨な事件が暴かれていく。厳密には見えてないのに「目撃者」というのもなんだか面白いタイトルだな、と今記述しながら思いました。 はじめはなつめの視覚障害は心因性のものか何かで、ストーリーのどこかではっと見えるようになるんでは、という予想をしてたのですがそんな都合のいいことが起こるはずもなく。ご都合主義的な展開にはならずに話は進みました。まあ強いて言えば気になったのは、なつめを追うあの犯人がなぜか人目につく可能性もあるあのような場所で、すぐになつめを追わずにゆっくり歩いて追いかけていたこと。バタバタと動いてるところを見られたら誰かに不審がられる、と思ったのかな。でもすでになつめがバタバタと動きながら「助けて!」と大声を出している時点で犯人にとって落ち着いて歩ける状況ではないのですが。あとはラストの使われていない建物のシーン。いかに住人が不在で不動産で売りに出されてる状態だとしても、人を二人も監禁して部屋には祭壇のようなものまで作り電気まで通してしまうのはやりすぎか。作中ではあの建物は8000万以上で売りに出されてましたが、山奥のロケーションとはいえそこそこ瀟洒できれいな建物。あんなのを不動産屋がずーっと放置したりするでしょうか??まあたまにチェックしに来たとして年に1・2回と言ったところでしょうが、それでも犯人にはリスキーだと思うんだけどなあ。 ・・・と、別に作品のあら捜しをするつもりはなかったのですが、そんな文章になってしまいました。強いて言えば、みたいな重箱の隅をつつくようなことばかり書き立てましたが、作品は純粋に面白かったです。母親が防犯スプレーを入れるくだりでなつめにこのあとなんか起こるんだろうなーとか伝わったり、駅の黄色タイルを見つけてなつめが爆走したり、ちょこちょこ小技が効いてる映画だなと思いました。定年間近の木村さんが殺されてしまったのはショックだったなー。合掌。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-07-31 09:41:57)
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