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レビュー情報
《ネタバレ》 久しぶりに見たので書き込みます。
この映画は草薙素子と言う主人公を通して 脳以外を義体化(サイボーグ化)した人間が 様々な情報と技術が高度化複合化した社会で、どういう感覚と思想、概念、理念を経て行くのか? これを描いた作品であると思います。 主人公の素性については殆どられません。オープニングで全身義体のサイボーグと分かるのみで あとは公安9課なる非正規の警察組織で、国家に特殊強化義体のプロトタイプとして管理されつつ 超人的な能力を発揮し、様々な事件を解決する言わば実験体として生きている。 主人公の生きる社会は電脳化なる脳のサイボーグ化が普及した社会で 人間は何時でもネットに接続し、あらゆる情報を直接脳に取り込み処理する事が出来る。 だが反面、その恩恵に浴せない大多数の貧民 そして薄汚れ、疲れている都市空間。。。 そんなある日「人形使い」なる天才ハッカーが、人の電脳その物をハッキングして記憶を上書きする事件が起こる。 ともかく、この物語を通して押井氏が言いたい事は、人間が人造物としての義体化を進めて行けば 最後はその個人を特定するゴースト、つまり脳を含めた肉体という「入れ物」が その個人にとって信用出来る物では無くなり しまいにはそれすらも捨ててしまうだろう。と、言う事です。 最後草薙は人形使いに繋がり、融合し、自分も上部構造(物質的な脳を含めた肉体を脱し、あらゆる情報と繋がる生命体)へ旅立ってしまう。これは進化なのか? しかし、それが人間の最終的に行き着く場所なら、この世界に何の意味が有るのか? そう疑問する(その理由は彼のセーフハウスに並ぶ古ぼけた本が物語っている) 相棒のバトーは現実を選び そして素子と別れてゆく。 出て行く時、素子は冷たく自分自身を言い切ります。それを見つめる彼は苦しげでした。 「でも少佐は少佐なんだよ。」 素子が出て行った後の部屋で、彼は呟いたのでしょうか。 【一般人】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-04-10 04:11:36)
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