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ルコントの女性に対する想い、もっと言えば信仰のようなものが感じられた。彼にとって女性は太陽であり、蜂蜜であり、何より闇である。そして愛しく感じながらも、決して理解できないブラックボックスのようなものだと考えているのかもしれない。だから、手を入れて触るのだ。彼は女性の服を脱がせたりしない。目を瞑って服の下に手を差し込む。そこにあるのは柔らかな、丸みをおびた体。目を瞑って、その手に感じられる世界がその全てである。マチルドを失ったアントワーヌはどうやって生きていくのだろう?シェーファー夫人が亡くなったとき、彼には新しい髪結いの女性を探す夢があった。しかし、今の彼には10年という長いマチルドとの思い出ばかりしか残されてはいない。ルコントは何も語らずに物語を終える。語るべきことは何もないと言わんばかりに。この映画は、まさに傑作と呼べる作品であろう。
【fero】さん 9点(2004-02-15 19:20:17)(良:2票)
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