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《ネタバレ》
この監督の映画は真剣に見ないとだめです。 ところが最初からわからない~!?何がなんだかわからない~(笑 ある技術を使いまくりです。 サブリミナントというのかフラッシュ効果というのか・・ 冒頭はまるで違う映画のようなきれいで平和な家族の映像。 これがわりと長い。もちろん白黒ですよ。 それが過去のものとなり現在、質屋の主人はひとりで忙しい毎日をおくる。 アルバイトの男の子が唯一の身近な話し相手(でも心は開かない) いったい過去に何があり主人はひとりなのか。 家族のうち生き残ったじいさんがいる。 お前だけ残ってと罵倒する寝たきりのじいさんが・・ 質屋はユダヤ人で収容所に入れられていた。 その事件とは妻のレイプや子供の事故死・・ 全て幸せを奪われ冷酷に金だけを信じる質屋。 市民ケーンと同じにおいがしました。 トラウマって自分ではどうすることもできないものもある。 でも逃げてもいつかは向き合わなきゃならない日が来る。 金が全てだ! 唯一の身近にいるバイトの青年に言うも、相手は信じやすくお人よしだ・・ この展開はうまいけどきついです。 淡々と飾りも何もない映画。 それがグサグサと刺さるのですが、救いようのないラストは、 ある唯一の娯楽によって救われる。 本当に終わったあとすぐにでもこの映画を忘れたくなりました。 あの娯楽の前で終わっていたとしたらね。 あらすじをわかった上で見るほうが深いです。 ラストの娯楽とは映画的な娯楽です。 この終わり方でないと承知しない、くらいなうまい結末です。 痛みがわかるうちは生きるべきなのです。 たとえそれからの生きる道が苦痛であれど、生かされている・・ もう一度自分は生きなければならない。 このラストは実は市民ケーンより感動したのです。 そしてなんと明るくモダンな音楽・・ 感動を誘うこともしなければ語ることもない。 なのにこの晴天のようなラストは深い。 惜しむらくはあのフラッシュの使いすぎと、映画の娯楽がもう少しあれば・・ でもやはりシドニー・ルメットは白黒ですね! 救いようのない映画なのですが、 答えは自分で見つけられるという救いがあり見事です。 落ち込んだときにも、もしかしたら本当の救いになる映画かもしれません。 かなり落ち込んだときに、道が開けるかもしれません。 それほど真面目で真剣な映画と思いました。 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-04-03 00:42:08)(良:1票)
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