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《ネタバレ》
実際政治とはそんな簡単なものではなく、この時代の歴史背景も難解で、 特に2巻目はほとんどそのことで冒険的な面白さはありません。 正直たいくつだと感じていたあの長い長い砂漠の出会いや、 旅の場面が2巻目になると恋しくなるのに気づいた。 それはロレンスがイギリスに戻ると飼い猫のような変わりようで、 また砂漠にもどりたくないと言いつつ、 戻るのはアラブと決まっている。 主役の気持ちがなんだかわかるという、 最初の長いショットが忘れかけたころに生かされる映像の力。 1巻目にはこれでもかと大げさな音楽が雄大に流れる。 それがもっと戦いが大きくなった2巻目では、音楽はないに等しい。 もしかしてこれが現実なんだと知らされているような・・ 誰しも自分の欲望はあるし志もある。国のため名誉のため自分のため。 一番自分に正直だったのは盗賊の頭だったのかもしれない。 政治の現実に嫌気がさし去っていくロレンスを、 最初に出逢ったアリが止めるがそれを諭した盗賊のアウダは、 こうなることも本能で知っていたのかもしれない。 アラブ人になろうとしてなれなかったイギリス人は、 どうみても滑稽だが笑えない苦悩がそこにはある。 助けた仲間を処刑し助けそこねた仲間を思い非情になっていく。 だが戦地から離れまたイギリスに帰れば称号はあれど雇われ兵だ。 アラブを独立させる神にもなれず、大英帝国の駒にされただけなのか。 ぶつ切りになったような終わり方も妙な余韻を残し、 さらにバイクとすれ違う幕切れはオープニングと繋がっているようで、 この主人公のその後にリンクさせているようで不気味な後味です。 気になって仕方なくなり、DVDを購入することにしました。 こういうタイムスリップ的な感覚の映画は気になるのです。 回想から繋げる手法が特にうまいですよね。 主役のピーター・オトゥールは昨年度のアカデミー賞の名誉賞を辞退、 最終的には周りの説得もあり授与されました。 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-05-07 08:22:19)
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