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《ネタバレ》 期待したほどでは、という感じでした。中盤に存在する、役所広司がハジける部分、ここが見せ場になっているのですが、周りのお客さんの反応とは逆に、私はここでさーっと醒めてしまいました。そこに至る過程って自然だったかぁ?と。お互い作用し合って、高められていって、遂に辿り着くポイントなのですが、どうにもこうにも役所広司がそこまでになってしまう事に納得ができないのですよね。なので、この時点で私とスクリーンとの間に距離が生じてしまいました。実のところラスト近くの役所広司の告白によって、それが必然的な流れだった事が説明されはするのですが、セリフでの説明でそれを納得させるんじゃなくて、日々の流れの中に刻まれてゆく変化でちゃんと説明して欲しかったと思います。もうひとつ、私が入り込んでゆけなかった原因は、肝心なその台本によって演じられるであろう舞台の姿がちっとも具体的に空想できなかった事。部分部分は表現されても、最後まで二人のやりとりから、頭の中に面白い芝居を組み立てる事はできませんでした。全体的に間を持たせて情感を描写しようとしているのは判るのですが、ダレる原因になっていた気がして、その時間を芝居の笑いがどんなだったのか、もっともっと教えてくれる時間に割いたら、どんなにか楽しかっただろーかと。ほとんどが二人だけで進行する映画なのですが、この二人が、実際に存在するのであろう芝居の多くの役者達を表す機能をちゃんと果たさないと、この対話劇の意味はかなり薄いものになってしまうような気がします。ラストの切なさにプラス1点、というところで。
【あにやん🌈】さん 6点(2004-11-01 20:29:24)(良:2票)
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