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《ネタバレ》 どんな映画なのか殆ど知らない状態で見たのですが、最初の背景を説明する字幕の時点でそれがSF(的世界を舞台にした物語)である事をバラしてしまい、更に作品世界の秘密、ミステリアスな要素は最初の30分程度で殆ど明らかになり、じゃあ、一体残りの時間は?って言うと。SF的背景は実のところエッセンスでしかなくて、主人公達を支配する態勢側の上層部の人間なんていうのも登場せず、主人公達が定められた運命に対して、それを受け入れている事が前提にある、切なく哀しい物語。メインの3人が織り成すドラマはありきたりな三角関係の恋愛模様なのですが、その背景にある限られた命、限られた時間、仄かな、そして小さな希望を加味すると、その儚い生のひとときの姿が胸に響いてきます。規律に縛られた中でそれぞれの小さな自我が芽生えてゆく学校生活シーンや、オリジナルを探す短い旅のシーンの少しの楽しさと沢山の切なさなど、美しいけれど寒々しい映像と共にそれぞれの時代を演じた役者達の存在感が印象的。キーラ・ナイトレイはこれまでと雰囲気がかなり異なる感じがしましたが。でも、この映画から「人は限られた時間、限られた世界の中で、だけれども自由があるのだから、日々を大切に生きようね」と、そんなメッセージを思い浮かべるのは簡単だけれども、もう少しペシミスティックな面を感じてしまうのは、今のこういう世の中だからでしょうか? 自らの存在価値を悟り、無抵抗で運命を受け入れ、微かな希望すらも潰えてゆく主人公達の姿は、果たして今を生きる人々と大きな差があると言えるのでしょうか? ここから生の希望を見出す事が、今の自分には難しく思えました。
【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-04-16 00:29:06)
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