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《ネタバレ》 冒頭のアレは警官に対してと同様、映画を見ている客側も騙しておいた方が良かったんじゃないかなぁ。サスペンス的な要素を最初に置いておいて、本編は果たしてどうそこへ繋がるのか、みたいな感じにして。さて、決して感動を押しつけてこないこの映画、何が特徴的かって、二人の出会いからお互いが影響されてゆく過程が、もうちっとも能動的でないの。単にその相手が近くに存在する事で必然的に影響されあってしまうって状態で、それぞれはちっとも前を向いた指向性を持っていないという。そのクセ相手に対しては前を向け!って。それで未来が開けてゆきました、っていうのは面白いなと。それぞれがエゴイスティックな面を出しやすい性格なので、あまり気持ち良くはないのですけれど。だけど実話を元にしているとは言え、これは『最高の人生の見つけ方』同様、しょせんお金持ちのファンタジーなんですよね。半身不随の父の介護をしてきた身から見れば、なんていうか、とってもぬるいゆるい甘いステキなオハナシに映るワケで、生に対する凄絶な渇望と闘争、なんてのは望むべくもないよね、そして世の中結局お金だわよね、みたいな感じで。これは娯楽映画で障害者映画ではありません、というのが大前提として存在している訳で、そんなところを徹底的にリアルにしたところで映画が目指すところからは外れてゆくだけでしょうから、これはもう仕方ないのですけども、自分の経験からこのファンタジーを幸せに眺める事はちょっと無理でした。
【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-09-29 00:20:47)(良:1票)
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