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《ネタバレ》 タップ版『SING』。あるいは『幸せはシャンソニア劇場から』とか。もっとも再生の話ではなくて終焉の話ですか。
冒頭の『傷だらけの天使』オマージュからオーディションあたりまではインチキ臭くも楽しめるのですが、ダンサー達のドラマを描きだすと、途端にハリボテ感が出てしまって、シンドくなってしまいます。それぞれのドラマはありがちでクサくて、もう少しなんとかならないか?って設定のオンパレード。唐突に泣きだすキャラが複数いるあたりの不自然さ、ぎこちなさに演出力の問題が表出している感じがしました。むしろほとんどドラマ抱えてないYOKO(つーか99)の清々しい事。彼女が最も好ましいキャラでしたわ。 伝説のダンサーと言いつつも、伝説っぷりが一切描かれなかったり(杖を暴力的に振り回すばかり)、ラストで劇場主の物語にシフトしちゃったような状態になったり、とにかく描きたい事を詰め込み過ぎちゃった感じで、一体何処がいちばん大切なのか、何処が最も描きたかった事なのかが見えてこない、かなり支離滅裂な状態。萌が実はタップ踏めるとかいきなり舞台出ちゃうとか、意外な展開って言うよりは、雑なエピソードとしか捉えようがなく。一切レッスンしてないじゃん。 でも、ライティングは全編ちゃんとしてましたし、クライマックスのダンスシーンはカメラが必要な画をちゃんと捉えてました。ちょっと観客の表情を挿し込み過ぎではありましたが、シネスコの画角を活用して舞台の複数のダンサーの頭から足元までをきっちりと捉える画が主になっていて、その当たり前の事がキチンとできている映画って感じでした(それができてない映画って多いですからねぇ)。 主人公と劇場主との友情物語、世代を交代して自分達は世界から退いてゆく、そこを中心として、唐突だったり、伏線を回収できずにごちゃごちゃほったらかしになったエピソードの数々をバッサリ切っちゃえば、あるいは良い映画になったのかもしれません。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 6点(2017-06-29 21:32:47)
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