スパイダーマン:スパイダーバース の あにやん‍🌈 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ス行
 > スパイダーマン:スパイダーバース
 > あにやん‍🌈さんのレビュー
スパイダーマン:スパイダーバース の あにやん‍🌈 さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》  あまりに幸せな贅沢さに溢れた映画ね。

 『スパイダーマン』という作品のアイデンティティ、作品が存在することの意義を過去作に遡って求めながら、その未来までも模索してみせる、そういう『スパイダーマン』のあり方としての映画、という面だけでも十分に見る価値はあるのね。

 その上で「アメコミの映像化」についての映画でもあって。ただ物語とデザインを抽出して、あとは既成の映像理論に乗っけたものに「アメコミ」としてのアイデンティティは保たれるのか? アメコミの感覚を映像へ置換する独自の表現方法があるのではないか? そんな試行と挑戦が見えるわ。
 かつて『クリープショー』や『ハルク』、『シン・シティ』など「アメコミらしさ」を求めた映像作品はあったけれど、表面的なスタイルだけではなくて、その空気や精神をも表現するには、やっぱり現在の映像コントロール技術が必要だったのかもかもしれないわね。

 でも、更にそれだけじゃないの。現在の主流になっているフルCGアニメーション映画の世界そのままではなくて、あえてテクノロジーの引き算をしている面もあって。キャラクターが妙にパタパタ動いてる、今やCGアニメーションには常識なモーションブラーが付いていない状態なのね。それはこれがあくまで絵を動かしているアニメーションの世界だという事。なめらかな動きこそが大切? 横並びなテクノロジーの進化合戦の中の一作品である必要はない、あくまでアニメーションの次元の存在であると。

 そして、大きく「マンガ」とひとくくりにされる世界の、そのマンガについての映画でもあって。CGアニメーションである以前にアメコミでアニメーションで、その上にカートゥーンと日本のマンガとアニメまでもリスペクトし、摂り込み、ひとつの世界の中で共存していて。
 興味の無い人の目から見れば同じフィールドのものでも、それぞれが好きな人の目には全く別のフィールドのもの。それが高次で融合している作品、それはとても幸せな姿だと思うわ。
 ここにアニメーション作品の1つの基準を作ってしまった感じ。これから世界中の映像クリエイターはこの作品の存在を意識せざるをえないわ。

 っていうか、見る側は難しいコトごちゃごちゃ考える必要なんてないわね。単純にどんどんと加速してゆく映像と音のドライブ感を楽しんで。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 9点(2019-03-03 22:21:44)
あにやん‍🌈 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-12-03翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜5レビュー6.21点
ウィッシュ6レビュー5.66点
2023-11-05ゴジラ-1.07レビュー7.48点
2023-09-05キングダム 運命の炎6レビュー6.61点
2023-09-05バービー(2023)8レビュー6.91点
2023-06-1965 シックスティ・ファイブ5レビュー4.33点
2023-06-19THE WITCH/魔女 -増殖-5レビュー5.00点
2023-06-18ザ・フラッシュ6レビュー6.20点
2023-06-18スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース9レビュー6.83点
2023-06-15劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ6レビュー7.60点
スパイダーマン:スパイダーバースのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS