ミラベルと魔法だらけの家 の あにやん‍🌈 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ミ行
 > ミラベルと魔法だらけの家
 > あにやん‍🌈さんのレビュー
ミラベルと魔法だらけの家 の あにやん‍🌈 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ミラベルと魔法だらけの家
製作国
上映時間99分
劇場公開日 2021-11-26
ジャンルドラマ,ファンタジー,ミュージカル,CGアニメ
レビュー情報
《ネタバレ》  思ったのはコレ、ディズニー版『ミッドサマー』ね。

 ミラベルが歌って踊る楽しいミュージカルシーンを演じてみせるのだけれど、それは無理をしてる、本当は彼女の心は傷だらけでズタズタっていうのが最初から判るのよね。一人だけ魔法の能力を与えられず、家の中に居場所がなく(それは部屋割りというカタチで具体的に表現されてるわ)、家族から疎ましがられて。
 家、血族という縛りに囚われた人々、ミラベルはそこからの解放、闘争を計るべく行動してゆく、これは「家族がいちばん」な『リメンバー・ミー』に対するアンチテーゼになってるの?って見ていて期待したのね。
 ところがミラベルは救済されないの。姉妹達もまた家に縛られた存在である事が明らかになり、その呪縛を解く事でミラベルは家に破壊をもたらす者としての姿が明確になってゆき、そしてその通り、家は破壊されちゃう。破壊そのものこそがミラベルに与えられた役割で、そこからミラベルと力を失った家族とが同じ地平に立って新たな道を踏み出す・・・のならば納得できたのね。ところが戒めを受け止めた家族たちに対して魔法の力は家を再生し家族たちの能力を元へ戻すの。ミラベルの役割が明確になり居場所が得られたようにも思えるのだけれど、実際には単に破壊前の状態に戻ったのよね。家族の意識に変革は起きたのかしら? むしろそれを経た事で戒めを与えたミラベルを触らぬ神、悪魔の子、鬼子のように扱う事になるんじゃ?
 唐突なハッピーエンドに見えるそれは、それぞれが更に強く家、血族という呪いに縛られる事になりました、という残酷なラストシーンに思えてしまうのね。ホラーだわ。
 ディズニーがそこを狙ったのだとしたらなかなかに挑発的だと思うけど、多分あんまりそんなつもりは無さそうで(『アナ雪』の1作目で城を飛び出したエルサに結局何の救済も与えずに城に縛りつけてアイススケート場の管理人のおねえさんにしちゃった人達だし)。

 いっぱいの花で飾られた世界で紡がれ続いてゆく因習にとらわれた人々の物語、この『ミッドサマー』感。
あにやん‍🌈さん [映画館(吹替)] 5点(2021-12-05 20:06:05)(良:1票)
あにやん‍🌈 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-12デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション[前章]6レビュー7.50点
2024-04-08ゴーストバスターズ/フローズン・サマー4レビュー5.25点
2024-04-08オッペンハイマー1レビュー6.73点
2023-12-03翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜5レビュー6.21点
2023-12-03ウィッシュ6レビュー5.66点
2023-11-05ゴジラ-1.07レビュー7.49点
2023-09-05キングダム 運命の炎6レビュー6.42点
2023-09-05バービー(2023)8レビュー6.91点
2023-06-1965 シックスティ・ファイブ5レビュー4.33点
2023-06-19THE WITCH/魔女 -増殖-5レビュー5.00点
ミラベルと魔法だらけの家のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS