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《ネタバレ》 沖縄は原色の世界で、リゾート気分を思う存分満喫できる楽園のような地です。が、ひめゆりの塔と平和祈念資料館へ足へ運ぶと、そんな浮かれ気分はぶっ飛びます。この地を襲った悲劇に完全に打ちのめされ、まともに展示品を直視する事すら困難な状態になります。この映画は、従軍看護婦として学徒動員され、散っていったひめゆり学徒隊の悲劇を事実に基づいて映像化しています。60年代に製作された映画だけに、ちょっとシニカルなオープニングから始まって、その反戦の主張はやかまし気味。切り取られ、更に吹き飛んだ手足によって作られたグロテスクなオブジェを象徴的に見せるのも、マジメとは思えず悪趣味。あまり上手とは言えない吉永小百合のオーバーアクトが、映画の温度を下げてしまったりもします。それでも、悲劇は十分に伝わってきます。家族を次々と失い、追い詰められてどんどんと命の灯が小さくなっていっても、それでも明るさを失わない娘達、それゆえにその最期は深く胸を刺します。ただ、同時に胸に刻まないといけないのは、こんな悲劇がここだけではなくて沖縄全土、そして日本のあちこちで引き起こされていたという事実。沖縄でひめゆり学徒隊同様の大勢の娘達がやはり命を落としていたのも事実。今、私の立場で誰のせい、何が悪かったと問うのは無意味でしょう。ただ、今の繁栄の影には、決して切り捨てる事のできない沢山の犠牲が存在していた事を認識しておかねばなりませんね。
【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-08-16 01:00:27)(良:2票)
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