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《ネタバレ》 沢山の真面目そーな女性のお客さん達に囲まれた状態で見た事を思い出しました(意外にもめちゃめちゃ混雑していて)。映画の方も、非常に真面目にこの古典的な物語を語ってゆきます。19世紀のフランスの、暗い風景、暗い人々の暮らし。だけど、どんな状況だって笑いが消えちゃってるって事はないんじゃないかなぁ?なんて思いもしましたが。やっぱり印象に残ったのはジャベール。彼は法を守ることだけが信念として貫かれ、そのためには人権も心も踏みにじる人間。そんな彼が、バルジャンの心に触れた時、彼は自ら死を選ぶしかなかった、法を犯してバルジャンを許すことは、彼の人生の否定になっちゃうのだから、だから自分らしくバルジャンを許す方法って、死しかなかったんですね。この物語で、本当に悲しい存在だったのは、バルジャンよりも、ジャベールだったのかも。バルジャンは逃亡しつつも19年の間は幸せな暮らしを送っていたのだし。印象的なベイジル・ポールドゥリスの音楽、確かな美術に彩られた世界は至極端正な作りの、それゆえ受け手も真摯に向き合える映画でした。
【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-02-21 20:38:32)
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