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《ネタバレ》 本作をもっての宮崎駿監督の長編作品からの引退宣言が話題になった本作であるが、宮崎監督が自分の趣味だけで作ってしまったような開き直りぶりが潔い映画で、堀越二郎という実在の零戦設計技師を描いた年代記ものとなっているが、そこに感じるのは宮崎監督自身の飛行機への思い入れの深さで、まさに主人公の堀越二郎は宮崎監督自身の分身ととらえることもできる。映画としても極めて大人向けであり、今までの宮崎アニメとずいぶん毛色の違う作品になっている(子供と一緒に見てはいけない映画のような気がする。)が、ドラマとしても見ごたえのある作品で、地味なストーリーながら引き込まれる部分も多く、とくにラストシーンには感動してしまった。見る前にはまったく期待してなかったのだが久しぶりに心に残る宮崎アニメ、ジブリ作品で本当に見て良かったと思える映画だった。(ジブリのアニメでこういう感覚何年振りだろうか。)宮崎監督は「もののけ姫」の頃から引退宣言をしているが、それでも客の呼べる監督ということもあってか、なかなか引退できない状態が続いていたように思うのだが、本作からはもうこれで本当に引退するぞという強い決意のようなものも感じられる。そして、本作はそんな宮崎監督の引退作に相応しい佳作で、長い監督人生をこの映画で終わらせるのはいかにも宮崎監督らしい。思えば、自分が宮崎監督の映画で最初に見たのは小学校低学年の頃にはじめて見た「となりのトトロ」で、それからもうずいぶん経ったのだが、今でも作品を見ている監督というのは宮崎監督ぐらいしかいない。その最後の作品というのはやはり感慨深いものがあり、さびしくもあるが、これだけは言いたい。ありがとう、そしてお疲れ様でした。宮崎駿に敬意を込めて。
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-11-07 00:51:57)(良:1票)
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