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《ネタバレ》 庵野秀明監督による実写版の「キューティーハニー」。アニメはオリジナルはちゃんと見た事がなく、セーラームーンの後番組でやっていたリメイク版も少し見た程度で今ではほとんど覚えておらず、そもそも永井豪作品にも馴染みがあまりない状態で本作を見たのだが、逆にそれが先入観がなくてよかったのか、思っていたよりは面白かったし、最後まで飽きることなく楽しく見れた。「シン・ゴジラ」のような大作然とした感じではなく、作っている側もB級と割り切っているような感じがよく出てて、それが潔い。オープニングタイトルバックがテレビアニメ版のオープニング仕様だったり、映像表現にアニメを取り入れているのはアニメ畑の監督らしいところで、それを駆使した冒頭のゴールド・クロー(片桐はいり)率いる戦闘員とのバトルはアニメ的なコミカルさも加わっていておかしみがあり、とても楽しかったし、エレベーター内でのコバルト・クロー(小日向しえ)との戦いも見ごたえがあるものになっている。ハニー役のサトエリは本作を見る数日前にネットニュースのインタビューを見ていたので、とくに始まってすぐの街中を走るシーンは絶対恥ずかしかっただろうなと思ってしまったのだが、それでもよく頑張っていて素直にハマり役だと思うし、魅力もじゅうぶんに出ていたと思う。しかしそれ以上に印象に残ったのが秋夏子で、演じる市川実日子は「シン・ゴジラ」でも強烈なインパクトを残す役を演じていたが、本作でのこの役はその原型といった感じがする。その他、悪役であるパンサークローの面々を演じる役者陣も実に楽しそうに演じていて、中でもブラック・クロー(及川光博)が歌い始めるシーンのノリノリさはそれがいちばん伝わってきて、見ている側としてはつい笑いが込み上げてくる。一方、ゴールド・クローを演じている片桐はいりはもともと個性的な女優のためか、こういう特殊メイクで扮装した役だとなんかもったいなく感じる。映画全体の構成としてはハニーと夏子の出会いからパンサークローの壊滅までを一時間半で描いているためか、テンポが良すぎて展開が目まぐるしく、そこがちょっと残念だったかな。やはりこの構成だと映画一本よりもテレビの連続ものの方が向いてる気がする。
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2023-04-16 16:04:40)
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