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「つまらん。意味不明。0点」というレビューが後に続くと思われる作品であり、たしかに監督の自己満足映画と言えるとは思います。ただ、「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」を読み(めちゃくちゃ面白い。この映画はあの面白さに便乗しているようなもの)、他作品でも一貫している監督の問題意識(母国ポルトガルの属するヨーロッパ文明の歴史や思想を振り返り、ヨーロッパ、それと関わる近代文明のこれからのあり方を模索するというような)を知っていれば全然つまらんということはおそらくないでしょう。アホのくせに知ったかの私なんぞは本当は全然理解しちゃいないのかもしれないですけど、たまたま予備知識があったので自分なりに理解して自己満足で楽しめました。ドストエフスキー読者の色眼鏡なしに観ても面白いかどうかは私には判りませんが、たぶんつまんないのでしょう。ある程度の予備知識がないと面白くない映画を敬遠する向きもあるかと思いますが、どんな映画も程度の差こそあれ予備知識は必要だし、こういう映画も全然ありだと私は思いますね。本作はゴダール作品なんかとは違って話の意味を追うことは割と容易(?)と思います。その反面、インパクトはなく淡々とした感じです。ニーチェ?の描き方など悪意があってヘンですし(と思うが、あれでいいのかな?)、思想を深化させたり、新しい視座を開くといったような作品というよりもイメージのお遊びみたいなもんじゃないか?という印象が強いです。
【しったか偽善者】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-19 21:31:14)
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