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映画館で公開すぐに観たんですけど今さらレビュー。/兄弟はそれぞれ自分が憧れる望みの人生や輝かしい大切な何かを互いに相手の人生の中に見出している。しかし、兄は弟が自分の領域に踏み込んでくるに及び弟の眩しさに耐えきれなくなる。弟は兄の眩しさが偽りであったと認識して失望する。望みの人生を手に入れることができないことが
人間の一番の悩みかもしれないが、本作は至上の価値を置くその望みの人生が目に見える形で否定される話である。この映画はそれぞれの人間の一番大切な価値を揺るがそうという試みだと思う。/しかし、なぜか私自身の心はあまりゆれなかった。多少あざといくらいによくできた小賢しい作りの脚本で観客の心を動かすという方向性は前作同様だが、個人的に(まったく個人的に)前作のような満足感がなかった。特に裁判後に違和感があった。ラストのナレーションが妙に野暮ったく感じられた。観客の心に一撃 を食らわす芸術性といったものを無理に追求しているように見える。はたして成功しているだろうか?・・・・。 私個人はほとんど映像美に魅せられることがなかったし(私のセンスが悪いのかもしれないけど)、鑑賞後の余韻もたいしたことなかった。自分は長くつきあえる同世代人としてこの監督にあまりに期待しすぎていたのかもしれない(ディアドクターもいまいち)・・・・でも、やっぱり期待してます。/タイトルは「乱れる」「流れる」なんかを意識してるのかな?(あんなのに太刀打ちできるわきゃない・・・)。ナルセ通からは身の程知らずとけなされるんだろうし、この監督にはそっちの方向(芸術性の高い映画)は似合わないと思う。自分としてはもっと娯楽性高めに、女伊丹十三もしくは女周防正行みたいになってほしい気がするんですけど・・・・。 【しったか偽善者】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-01-19 21:00:37)
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