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私のタルコフスキー初体験はこの彼の最後の作品でして、その後「ノスタルジア」を鑑賞し、遡るように観ていきました。当時、これまでなんでこの監督の作品を観なかったんだと悔やんだものです。マニアの方はこの作品に10点つけるのはわかってねえな、とか思うでしょうし、嫌いな人は高尚ぶりやがってと思うのでしょうが、初体験の衝撃が忘れられないんですよ。すげぇ、こういうの観たかったよぉ~って感じ。「自分にはわかる」みたいな身の程知らずな自惚れた自己満足に浸っているのかもしれません(すべての芸術への感動にはこの自己満足が大なり小なりつきまとうと思いますけどね。)。しかし、そんな簡単に私ごときに理解できるわけありません。すごく感じるのはこの作品は(他のもそうだけど)監督のかな~り個人的な体験や思いと切り離せないということです。一個人にはおこがましい世界救済の誇大妄想なんてガキの頃はよく頭に浮かぶと思うんですが(そんなことないですか?)、この話はガキの頃見た夢の話みたいな個人的妄想に近いのでは?と思います。でも、私なんかも冷戦末期の少年時代にはよく頭に浮かんだ核戦争勃発という妄想は、冷戦を生々しく切実に生きてきた監督からすれば実体験に近いのかもしれません。差し迫った自らの死を見つめているかのようですし、鬼気迫るものが感じられます。語ると陳腐になるし、私みたいなバカはもうあまり語る言葉を持ちません。この映画の鑑賞は嬉しい未知の体験でした。よく眠くなるって言われるけど、そうかなぁ?。「理解するのではなく感じる」というのは思考停止の欺瞞だと思ってんですが、タルコフスキー映画はそういう鑑賞態度でつい観てしまいます(自分にはなかなかわかんないから。悪あがきはしますが。)。圧倒的な詩的映像美は私が語ると嘘っぽいし、私が語るまでもないですが、好き嫌いが分かれるようなレベルを超えちゃってる(分かれるでしょうけど)と思いますよ。ほんとに。
【しったか偽善者】さん 10点(2004-03-07 21:14:17)
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