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夜の1時過ぎに見始めた。真っ暗な部屋の中でTV画面の中で起こることだけが圧倒的な存在感を放っていた。時代性を超越した斬新な時代考証や美術、大仰で愚かで残酷極まりない血で血を洗う復讐劇、アンソニー・ホプキンスの血を吐くような凄まじい演技。ともすれば滑稽でやりすぎな自作自演劇になりかねない物語を、ここまで見ごたえのある大河ドラマに仕上げた監督の手腕。演劇畑で養われたその力量。口を開けたまま、瞳孔が開く程に2時間半見入った。完全に怪しい人になっていた。気付くと明け方だった。精神的な震えが止まらなかった。あああ凄いもんみちゃったなー、と。ズタズタの陰惨凄惨シザーハンズ姿にされた娘の画が頭から離れないまま、鬱状態で出勤した。沈んだまま仕事をした。結局あの映像は1週間頭から離れなかった。大好きだけど、2度観る勇気の湧かない作品。どうやら一般的に「表層的な煽情性しかない」とこき下ろす意見が多いようですが(それもよく分かります。確かに過剰なまでのヴィジュアル先行作品ですしね)、私にとってはこの作品は内臓の奥、骨の髄まで染み入り侵すほどの衝撃作でした。
【ひのと】さん 9点(2004-01-24 14:26:05)(良:1票)
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