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主人公の同世代、35歳以上の男性しか良さが分からない、という作品ではないと思う。だってこの作品は、11歳の頃の私の心の琴線にだって突き刺さった。ラストシーンの美しさでは、この作品は私の中でベスト5には間違いなく入る。全てが救われたような、赦されたようなカタルシス。これは野球映画ではないです。夢見ることの大切さを説いたものでもない。これは人生で1度も馬鹿をしなかった大人たちの為の御伽話。大多数の人間は、「堅実」という名の、賢明でありながらも狡猾な保身に生きる。それは良識的な欺瞞と諦念だ。この作品にはそんな、負け戦に臨まず、結局安全圏から出ることもなく、堅実な人生を送った人々への辛辣な慰安がある。負け戦に望んだ主人公の姿は、堅実な人生を歩んだ人の心にほど、響くのではないかと思う。たまに部屋の棚の奥から劣化したビデオを引っ張り出す。良い作品だと、今でも思う。考えてみたら子役のギャビー・ホフマン、1982年生まれの、今は立派な大人の女性。月日の流れるのは何と早く、人生はなんと短い。初めて観てから、あっという間に15年も経つ。
【ひのと】さん 10点(2004-01-12 22:42:53)(良:4票)
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