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《ネタバレ》 これは単なる少女の職探しの物語ではなくて、もっと残酷で痛切な戦いが根底にあるような気がする。ロゼッタは理不尽で冷たい社会と向き合うと同時に、自分自身が根本的に持つ暴威とも向き合っている。男により「女」にされ、堕ちるように大人になり、いつかは自堕落な生活を送る自分の母親のようになるかも知れない、その焦燥感と必死に戦っている。外からの暴力と、内からの暴力。社会に負けること、自堕落な大人になること、汚らしい「女」になること、その全てを彼女は拒否しようと、勝ち目のない戦いに脆弱な力で臨む。突然の解雇通知、駄目な母親、自分を「女」としてみる男性の出現…。世間はそんな試練を次々にもたらし、強制的に彼女を組み入れようとする。それを拒否するように、ロゼッタはひたすら動く。その抵抗は必死だけれど、儚く、痛々しく、力を持たない。そしてブツ切れのように映画は終わる。最後の瞬間に彼女が見せた顔、張り詰めていたものが切れたような顔、たった1度だけ彼女が見せる弱さ、世の中に「負けた」とどこかで認めてしまった瞬間のあの表情が忘れられない。
【ひのと】さん 8点(2004-04-10 21:17:36)(良:2票)
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