| 作品情報
レビュー情報
人間は、1日に200もの嘘を付くと言われている。そんなに付くか?とも思うけれど、よくよく考えると200どころではないような気がする。何も、「虚偽を言う」というポジティブな嘘だけが嘘な訳ではない。「本当のことを言わない」ということもネガティブな嘘である訳だし、「自らの保身の為に周囲に無理して合わせている」というのも、欺瞞である訳だから、立派な嘘だ。心の中の嘘は意図せずとも、日々の生活の中で肥大し、質量を増大させて行く。そしていつしか心はその重みに耐えられず、時には破綻する。この作品の登場人物達のように。主人公のように根が繊細で真面目な人程、抱える苦悩は大きい。そんな嘘を包み込めるのは、ある種の諦念だけ。人間1人を愛するということは、その人の「嘘の心」を全て包み込むことなのだ。ラストシーンを観終わって、諦念というネガティブな覚悟の強さを知る。
【ひのと】さん 6点(2004-02-10 19:23:54)
ひのと さんの 最近のクチコミ・感想
|