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相当敷居の高い映画である。女優陣の演技目当てに観たのだが、いかんせん予備知識が無さすぎた。1回目は完全に門前払い状態。ネットでせっせとヴァージニア・ウルフと『ダロウェイ夫人』を調べてやっと納得。死について詩的かつ観念的に語られており、監督の思いに到底理解が及ばない。随所に青色が死を具象化するワンポイントとして散りばめられ、色の心理的効果も計算高く利用されている。誰もあのケーキを美味しそうとは思わないだろうし、リチャードが身に纏っている衣装も象徴的だ。余談だが、自分の元妻が鬱状態だったことがあるので余計に心が痛んだ。彼女のために良かれと思ってすることなすことが、かえって妻を追い込んでしまうという悪循環に私も陥った。結局、別れることでしか解決できず、彼女を救えなかった自分の無力さが夫のレナードに重なり、涙がこぼれそうだった。
【やすたろ】さん 7点(2004-11-13 13:37:59)
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